塩入敏治 賞
Selector
塩入敏治
アート・コレクター
Prize
渡辺篤
Prize Statement
渡辺篤さんは《新しい戦争》というテーマで作品を発表しました。戦争は勝った方が正義、負ければ悪というのが歴史的事実ですが、これを将棋の盤上でゲームにしてしまいました。アメリカ人、スペイン人、韓国人など、国籍の違う外国人の協力を得て、それぞれ渡辺さんと対戦。押し相撲ですね。倒れた方が負けで悪。勝てば駒が成金ならぬ正義になります。そのプロジェクトが、映像と使用した駒、マルチプルで展示されていました。勝ち負けの二元論はゲームだけであって欲しいという思いがつよく感じられました。渡辺篤の作品は、昨年、ナンジョウハウスの個展で初めて知り、コンセプトに裏打ちされた力強い表現力に共感を覚えた次第です。
Selector Profile
コレクター歴35年のサラリーマン・コレクターです。現存作家で時代を共感できる作家の作品をジャンルや内外作家を問わず観ています。なかでも、近年はパフォーマンスを主体としたアート作品や写真・映像作品などに興味を持っています。また、観るための努力も鑑賞のうちという信念で、情報収集や現場主義を徹底しています。