吉本光宏 賞
Selector
吉本光宏
ニッセイ基礎研究所 研究理事 [芸術文化プロジェクト室長]
Silver Prize
片山真理
Prize Statement
どこか学芸会にも似たアートフェアの喧噪の中、モノクロ写真の作品からは静かで強いメッセージが発せられていると感じられた。それは障がいを抱えた作家自身が被写体となっていることと無縁ではないだろうが、むしろ、表現に向かわざるを得ないひしひしとした切実さが伝わってくるからだろう。そうして3本の小瓶の作品に目をやると、そこにも作家の強い思いが詰まっているに違いない、と思えるのであった。
2020年五輪に向けて"障がい者アート"に注目が集まりつつある。そうした動きに惑わされることなく、ぜひとも独自の表現を追求し続ける作家であってほしい。
Selector Profile
1958年徳島県生。早稲田大学大学院修了(都市計画)後、社会工学研究所などを経て1989年からニッセイ基礎研に所属。東京オペラシティ、世田谷パブリックシアター、いわきアリオス等の文化施設開発、東京国際フォーラムや電通新社屋のアートワーク計画などのコンサルタントとして活躍する他、文化政策、創造都市等の調査研究に取り組む。現在、文化審議会文化政策部会委員、東京芸術文化評議会評議員・文化プログラム検討部会長、横浜創造界隈形成推進委員会委員長、(公社)企業メセナ協議会理事、東京藝術大学非常勤講師等。著作に「再考、文化政策(ニッセイ基礎研所報)」「アート戦略都市(監修、鹿島出版会)」など。