01 賞
Selector
匿名
都内某美術館学芸員
Prize
永原トミヒロ
Prize Statement
アートフェアというお祭りの片隅で、ひっそりと佇みながら内からの輝きを見せる作品を評価しようと思った。
作家は10年以上に渡り、大阪岸和田の郊外を描き続けている。ほとんどモノトーンで暗い画面だが、夜という訳でもない。人影はなく、永遠の昼下がりか時間が止まった光景のようにも見える。
実際の風景はこんなふうに見えないのかもしれない。けれどどこかで見たような、イメージの底にある郊外の町並みの一典型を、作家の眼を通して見せられているようだ。そこに立ちつくして動けずにいるような、そんな気分になる。
Selector Profile
行政において文化事業、美術館で近・現代美術の企画に携わってきました。
一方で現代美術のフィールドワークをもとに若手作家のサポートなどを行い、コミュニティアートの運営にも携わっています。
今回プライズのお話をいただき、趣旨には賛同するため参加することにしたのですが、コレクターを自称するにはあまりにおこがましく、匿名で参加して盛り上げることができればと考えました。