Prize Statement

蛭子未央の作品を選んだ。
GEISAIに出品しているときから、気になっていた。
彼女の作品には絵を描くことの歓びや新鮮な衝動のようなものを感じられる時がある。
しかし、その衝動とほとんど同時に絵を描くことの不可能性／遮断のようなものが立ちあがってくる。筆が止まる。
その行き来の中に蛭子の作品は存在する。
強いストロークと荒っぽい筆致は、時にヴィヴィッドであり、時に追われているようだ。可能性と不可能性のはざまで、蛭子未央は大急ぎで筆を動かしている。

Profile

大学卒業後、安部公房スタジオ入団。（株）ニューアート西武常務取締役、（株）ニューアートディフュージョン専務取締役、森ビル株式会社取締役、執行役員および上海秀仕観光会務有限公司董事を経て、現在、森ビル株式会社顧問。六本木アートナイト事務局長。
アートショップの企画・マネージメントをはじめ、美術誌の企画・編集、演劇や音楽公演のプロデュース等、長年、多岐に渡るアート事業を手がける。大学等での講義、アートプライズ等の審査員も多数。