Nerhol
Prize
Smailes 賞
Nerholは、田中義久と飯田竜太の二人からなるアーティストユニット。
田中は1980年に静岡県に生まれ、2004年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科を卒業。飯田は、1981年に静岡県に生まれ、2004年日本大学芸術学部美術学科彫刻コースを卒業。
それぞれの活動を展開していた二人は、現代においていかにして問題を提起し、人に伝えていくかという方法論において共通項を見出し、2007年よりNerholとして活動を開始する。その後、国内外の美術館やギャラリーの展覧会への参加を重ねるなか、現代の経済活動が生み出し続ける消費と生成、忘却という巨大なサイクルの急所を突くような作品を一貫して制作している。その作品は、amana photo collection に収蔵されるなど、国内外を問わず、近年評価を高めつつある。
被写体と向き合い、数分間にわたって200回のシャッターを切る。そして、それら全てをプリントし、重ね合わせ、彫りこんでいく。長い時間をかけて、一つの像が立ち表れてくる。消失の連続が、像を生み出すという、逆説的ともいえる結果を前にして思う。像はなんと遠いのか、と。歪んで、形を変えられた被写体たちは、過ぎ去った時を幾通りもの方法で生き続けているようで、そこは、僕らからは遠い場所だと言わざるをえない。けれども、この遠さからこそ、僕らは隠喩への糸口を得て、失われつつあり続ける今をアジテートできるのだろう。