内山聡

内山聡

Prize

武内竜一 賞

飼い馴らされた絵画に疑問を投げかけ、近年は絵画を「行為」「時間」「物質」など様々な視点から解体し再構築することを制作の中心に据えている。圧倒的な作業量やヴォリュームから視覚的に鑑賞者へ訴え絵画性を問いかけている。

1978 神奈川県生まれ
2005 多摩美術大学大学院美術研究科修了
2014 第26回ホルベインスカラシップ奨学生

主な展覧会
2015 The human being to click,the animal to click,the machine to click / Gallery OUT of PLACE NARA, 奈良
2014 to turn back / Gallery HIRAWATA, 神奈川
2014 クリックする人間、動物、あるいは機械 / Gallery OUT of PLACE TOKIO, 東京
2013 I have my time. / Gallery OUT of PLACE, 奈良
2012 Soaked Paintings / eitoeiko, 東京
2012 タイムマイム / ギャラリー現, 東京

私は日々生産的に、また製造的に生きていたいと思っています。同じ時間に家を出て、同じ道を通り、同じ時間制作し、同じ時間に家に帰る。刺激的な毎日を送っている君からすれば、実に退屈な世界を生きているように見えるでしょう。しかし私はこんな生活が気に入っています。毎日の繰り返しの中でも季節の移ろいや人々の営みや自分自身の体調などが際立って感じられたり、また見えるときがあります。さらに君が訪れてくれたり、制作中のアクシデントで失敗したときなどは、いつもと同じアトリエが違った空間に見えるときがあるのです。そんな時に私はちょっとした幸せを感じとることができます。生産的、製造的に生きていくのはなかなか難しいです。

 私は絵を描きたいと思っています。絵はたいていは壁に掛かっています。じっとよく見ているとそれを描いていた作者のポジションがみえてきて、どのような身振りや選択肢があったのかを実際の絵の具が手がかりとなって見せてくれます。私はそのタイムラインを遡り同じような身振りをやってみます。どのような順番で描いたのか、どんな道具で、どのくらいの力で、などだんだん神経的なものが見えてきます。私の絵が完成したら君にそんなふうに解体してほしい。

http://uchiyamasatoshi.jimdo.com/