中村 裕太
1983年 東京都生まれ
2011年 京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了 博士(芸術)取得
2013年 「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト ―来たるべき風景のために」 森美術館、東京
2014年 「タイルとホコラとツーリズム」ギャラリーPARC、京都
2015年 「知らない都市 ―INSIDE OUT」京都精華大学ギャラリーフロール、京都
2015年 「第8回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」ブリスベン近代美術館、オーストラリア、ブリスベン
2016年 「第20回シドニー・ビエンナーレ」キャレッジワークス、オーストラリア、シドニー
京都市内の路傍祠を見回してみると、土台を石積みやモルタル造とし、社を木組や石造の意匠とするものが主流であることが分かる。ところが、局所的にモルタル造の祠や土台の構造に、マジョリカタイルやモザイクタイルを張り巡らせた、いわゆる〈タイルホコラ〉に出会うことができる。そもそもタイルホコラとは、お地蔵さまのお家であり、彼等の身なりに合わせてブリコラージュされた造作物である。そこで、私はそれぞれのタイルホコラにみられる左官工の施工技術や、住居人の補修技術を観光することから始めてみた。そして、それらの転用の技術をもとに、地蔵ではなく、本や写真などの日用品を入れるための〈イレモノ〉を制作することにした。