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Special Event » スペシャルトーク 鼎談:じゃぽにか× 佐塚真啓× 藤田直哉 「"前衛のゾンビ"は地域アートに夢をみるか?」
03.22Sunday 14:00-17:30
スペシャルトーク 鼎談:じゃぽにか× 佐塚真啓× 藤田直哉 「"前衛のゾンビ"は地域アートに夢をみるか?」
3331ラウンジ
■鼎談・じゃぽにか(アート集団)× 佐塚真啓(国立奥多摩美術館館長)× 藤田直哉(文芸評論)

「"前衛のゾンビ"は地域アートの夢をみるか?」

入場料 500円(ワンドリンク付き) !*3331Art Fairの入場券をお持ちの方は無料です。

 

じゃぽにか×佐塚館長×藤田氏によるトークショー形式の鼎談を、3331アートフェアの会場内ラウンジにて 開催いたします。アートプロジェクトをめぐって、藤田氏の語る「地域アート」、佐塚館長の「国立奥多摩 美!術館」、そしてじゃぽにかの「炎上アート」を結びつけながら白熱した議論を展開します。

 

■コンセプトとバックグラウンド

2014年下半期にアート関係者のなかで「地域アート」が話題となったことは記憶に新しいと思います。こ との発端は、集英社の文芸誌『すばる』10月号に掲載された藤田直哉氏の論考「前衛のゾンビ地域アート の諸問題」でした。藤田氏はその論考のなかで以下のように主張していました。現在、日本各地で展開され ている地域アートプロジェクトは、美術館やアートマーケットへのカウンターとしてそもそも帯びていたポ ストモダン的文脈を離れて、地域の振興にアートが奉仕するという素朴な効能として行政に活用され、そこ に参加するアーティスト達はかつての60~70年代の「前衛」の手法を表層的になぞっているだけではない か、と。現代美術において、叛逆精神を欠いた前衛的形式の空疎な反復を、藤田氏は「前衛のゾンビ」と呼 びました。 この論にたいしてアートシーンは賛否の入り交じった反応を見せています。田中功起、蓮沼執太、大山エンリコイサムなどがネット上で意見を交わすなど、とくに若い世代のアーティスト達がぼんやりと抱いていた アートプロジェクトへの疑念を強く引き出し、議論を生んだのです。こうした問題意識に効果的に火をつけ た注目に値する論考であったと言えるでしょう。アート集団「じゃぽにか」も、chim↑pomやカオス*ラウ ンジ、そしてろくでなし子などと並んで、この論考のなかで直に言及され、批判検討の対象となっていまし た。現象やシチュエーションとしての「問題提起型アート」を、藤田氏は地域アートの延長線上に批判的に 見!据えているのです。

この議論は、『前衛のゾンビたち――地域アートの諸問題』(堀之内出版)として刊行予定となっています (2015年6月頃)。そこでは藤田氏と美術関係者の対談を多く掲載する内容となっており、北田 暁大(社会学 者)、星野太(表象文化)、田中功起(アーティスト)、遠藤水城(キュレーター)、藤井光 (映像作家)、加治屋健 司(美術史)、清水知子(比較文化)、そして会田誠(画家)と強力な布陣が名を連ねています。 本企画の鼎談「じゃぽにか×佐塚館長×藤田氏」も当刊に掲載予定であり、その公開収録としてトークイベン トを開催します。じゃぽにかは、みずから標榜する「炎上アート」のあり方とネットを介して展開するコミュ ニティ・アートについて、佐塚館長は青梅で13日間に1000名を超える集客をあげたアートプロジェクト 「国立奥多摩美術館」の実践について、それぞれの明確な地域アートへの論点を持っています。これらの論 点をもとに議論を交わしながら、日本の特殊なアートの状況において、実践者としての視点とその問題意識 を明らかにしたいと思います。

 

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藤田直哉  (ふじた なおや)

日本のSF・文芸評論家。
1983年、北海道生まれ。
早稲田大学第一文学部(文芸専修)卒業。東京工業大学社会理工学研究 科価値システム専攻修了。博士(2014. 学術)。 単著に『虚構内存在』(2013. 作品社)、共著に『社会は存在しない』 (2009. 南雲堂)『サブカルチャー戦争』(2010. 南雲堂)『ゼロ年代 プラスの映画』(2011. 河出書房新社)などがある。

 

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佐塚真啓  (さつか まさひろ)

アーティスト、国立奥多摩美術館館長。
1985年、静岡生まれ。
2009年、武蔵野美術大学造形学部卒業。青梅にて工場を改修したスペー スを共同で運営、「国立奥多摩美術館」を主催する(2012, 2014)。 2015年3月にはart center ongoingにて個展を開催予定。

 

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じゃぽにか  (Japonica)・3331 Art Fair 参加アーティスト

アート集団 (主なメンバーに有賀慎吾、鈴木大輔、杉田陽平、永畑智大、村山悟郎、など) 2002年、結成。
新宿美術学院油絵科で知り合ったメンバーによって結成されたアート集団。 2013年に個展「じゃぽにかぱみゅぱみゅのじゃぽにかぱみゅぱみゅーじあむ」(art center ongoing、吉祥寺)を開催。 2014年には、「炎上アー ト」を標榜して第 1 7 回岡本太郎現代芸術賞特別賞を授賞。雑誌『ブブカ』 presents「オキュパイスクール」のアート講師。ウェブマガジン『VOBO』で 「じゃぽにか論考II -ポストメディア時代の広告化するアート」を発表。