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2021.10.20

NFTとアートのこれから「符号理論/Coding Theory」

 

【展覧会概要】

NFTとアートのこれから「符号理論/Coding Theory」

出展作家:藤幡正樹、藤本由紀夫、中ザワヒデキ、中村政人

会期:2021年10日29日(金)~31日(日)
*「符号理論/Coding Theory」は展示の継続が決まりました。
 オープン日:11月5日(金)、6日(土)、7日(日)、12日(金)、13日(土)、14日(日)
会場:3331 Gallery (3331 Arts Chiyoda 内1F )

特別協力:スタートバーン株式会社

ご入場について:
・本展の入場には、3331 ART FAIR 2021のチケットが必要です
・10月31日(日)13:30-15:00はトークイベント開催のため一時的に閉廊となります。

 

3331 ART FAIR 2021では、メディアアートの黎明期からアナログ・デジタル双方の表現を行き来し、国際的にも時代を牽引してきた藤幡正樹、藤本由紀夫、中ザワヒデキ、中村政人の4名のアーティストによる初のNFTを用いたアートの販売と、特別企画展を開催いたします。

 

ブロックチェーン上で発行される偽造不可能な証明書 NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)というシステム(技術)の登場は、デジタルデータという複製可能な著作物に唯一無二の価値を持たせることを可能にしました。同時にこれまでのアート作品の著作や価値、所有についての問題意識を浮かび上がらせています。このことは、オリジナルや複製、手法、そして所有といった概念にも新たな価値観を提示できる機会となっており、今回出展の4名のアーティストのこれまでの制作が予見していた領域が現実に現れ始めていると言えるでしょう。本展はメディアと美術の関係性について、そしてNFTを現代美術の思考で捉え直すまたとない機会となります。

 

本企画のタイトルの『符号理論/Coding theory』は、情報を符号化することで情報通信、コミュニケーションの効率性や信頼性を高める理論の総称から取られています。

 

今回のNFTとアートによる実践は、物質とともに現れていた思考、つまり物質に宿されてきたアーティストの着想や精神性を、符号(コード:code)として記述するコーディング(Coding)が、単なるデジタルデータではなく、人間による意味づけそのもののあり方や行方を問うこととつながっていくこと、そして、「見ること」、「見解」という意味を持つギリシャ語の「theoria」から生まれた言葉であるセオリー(theory)が、理論・仮説・確立を意味し、最善の方法・手段を示す言葉であり、この2つが組み合わされた語であることから今回の機会を表現するタイトルにしています。

 

今回はNFTとアートの仕組みを支えるブロックチェーンの権威、スタートバーン株式会社にも多大なご協力を頂き、多くの人々の「NFTとは?」に応える入門編として、展示を構成いたします。ぜひご来場ください。

 

※本展で展示する作品は全てご購入可能です。

 

 

【出展作家】

 

藤幡正樹 Masaki Fujihata


1956年東京生まれ.80年代初頭からコンピュータ・グラフィックスとアニメーションの制作,その後コンピュータを使った彫刻の制作を経て,90年代からはインタラクティヴな作品を次々に発表.1996年,ネットワークをテーマにした作品《グローバル・インテリア・プロジェクト#2》がアルス・エレクトロニカ(リンツ,オーストリア)でゴールデン・ニカ賞を受賞.インタラクティヴな本をテーマにした作品《ビヨンド・ページズ》が欧米を巡回し,1997年,ZKMのパーマネント・コレクションになる.1998年はZKMに客員芸術家として滞在し,ネットワーク作品《ナズル・アファー》,おもちゃの電車とシミュレーション・プラットフォームを用いた《生け捕られた速度》を制作しZKMにて展示.2000年は,大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレで中学生とGPSを使ったワークショップを展開.2001年に同様のシステムを発展させて《Field-Work@Hayama》を制作し,横浜トリエンナーレ,アルス・エレクトロニカ等で展示.Field-Workは動画映像をGPSの位置情報と共に3D空間で編集するもので,その後多数の展開を生む.2003年《Field-Work@Alsace》,《Mersea Circles》,《Field-Works@Lake_Shinji》.2005年《Friends’ Tree》,《Landing Home in Geneva》, 2009年《Simultaneous Echoes》などがあり、2012年の《Voices of Aliveness》は,自転車に乗りながら参加者の名前をモールス・コードに従って叫んで貰い,それを3D空間にまとめあげたもので、2013年のアルス・エレクトロニカで3度目の受賞をする.近年はPhotogrammetryとAR技術を用いて過去を現在に呼び出す《BeHere》シリーズを2018年の香港に続いて、ロサンゼルスのUCLAで1942年の日系人強制収容所送りをテーマに制作中, 2020年に発表される.

著書に『Geometric Love』(PARCO出版,1987),『禁断の果実』(リブロポート,1991),『巻き戻された未来』(ジャストシステム,1995),『カラー・アズ・ア・コンセプト』(美術出版社,1997),『コンピュータ・グラフィックスの軌跡』(ジャストシステム,1998),『アートとコンピュータ』(慶應大学出版会,1999),『先端芸術宣言!』(岩波書店,2003),『不完全な現実』(NTT出版,2009),70年代から現在までの作品をヴィデオや3DモデルとしてAR技術を使って見ることができるようにした『Anarchive º6 Masaki Fujihata』(edition anarchive,2016)がある.

近年の主な個展 2019 藤幡正樹「E.Q.」東京画廊 +BTAP. http://www.fujihata.jp/

 

 

藤本由紀夫 Yukio Fujimoto


1950年名古屋生まれ。1975年大阪芸術大学音楽学科卒業。70年代よりエレクトロニクスを利用したパフォーマンス、インスタレーション、80年代半ばよりサウンド・オブジェの制作を行う。音を形で表現した作品を個展やグループ展にて発表。その作品をつかったパフォーマンスを行うなど、空間を利用した独自のテクノロジーアートの世界を展開している。また「here & there」「separation & conjunction」「revolution& gravity」「silent & listen」といったキーワードで、日常の何気ない物事に注目し、「聞く」という体験を通して、「音」という存在の不思議を表出し、新たな認識へと開かれていくような活動も行っている。第49回(2001)・第52回(2007)ヴェネツィア・ビエンナーレ (イタリア)に参加。
主な個展に「STARS」シュウゴアーツ(2017)、「The Tower of Time」アイコンギャラリー(バーミンガム、2009)、「+/-」国立国際美術館(大阪、2007)、「関係」和歌山県立近代美術館(2007)、「美術館の遠足 1/10 – 10/10」(1997-2006)など。近年では「キュレトリアル・スタディズ12:泉/Fountain 1917-2017, Case 2: He CHOSE it.」京都国立近代美術館(2017)、「DOMANI・明日展 PLUS × 日比谷図書文化館
Artists meet Books 本という樹、図書館という森」日比谷図書文化会館(2017)等においてキュレーションも行なう。現在、京都造形芸術大学教授。

 

 

中ザワヒデキ Hideki Nakazawa


美術家。1963年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒。1990年代の「バカCG」を経て、2000年「方法主義宣言」、2010年「新・方法主義宣言」、2016年「人工知能美学芸術宣言」。3Dプリンタ関連特許、著書『現代美術史日本篇 1945-2014』、CD『中ザワヒデキ音楽作品集』。元文化庁メディア芸術祭審査委員。人工知能美学芸術研究会発起人代表。

 

 

中村政人 Masato Nakamura


1963年秋田県大館市生まれ。アーティスト。東京藝術大学絵画科教授。「アート×コミュニティ×産業」の新たな繋がりを生み出すアートプロジェクトを進める社会派アーティスト。2001年第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ、日本館に出品。マクドナルド社のCIを使ったインスタレーション作品が世界的注目を集める。1993年「The Ginburart」(銀座)1994年の「新宿少年アート」(歌舞伎町)でのゲリラ型ストリートアート展。1997年からアーティストイニシアティブコマンドNを主宰。秋葉原電気街を舞台に行なわれた国際ビデオアート展「秋葉原TV」(1999~2000)「ヒミング」(富山県氷見市)、「ゼロダテ」(秋田県大館市)など、地域コミュニティの新しい場をつくり出すアートプロジェクトを多数展開。1997年よりアート活動集団「コマンドN」を主宰。全国で地域再生型アートプロジェクトを展開し、2010年民設民営の文化施設「アーツ千代田 3331」を創設。2020年より「東京ビエンナーレ」の総合ディレクターを務める。著書に「美術と教育」(1997)、写真集「明るい絶望」(2015)、「新しいページを開け!」(2017)、「アートプロジェクト文化資本論: 3331から東京ビエンナーレへ」(2021)。平成22年度芸術選奨受賞。2018年日本建築学会文化賞受賞。

 

【関連イベント】

 

特別対談「そろそろNFTとアートについて話そうじゃないか」

本展出展アーティストと、ゲストにICCの畠中実氏とスタートバーン代表の施井泰平氏をお招きした特別対談を実施いたします。
今日のようにインターネットやSNSが普及する以前から表現活動を開始し、アナログからデジタルへの移行期に、その双方で多様な手法で制作を行い、先駆的な活動を続けてきた3名のアーティストと、メディアアートの現場に音楽と美術に寄り添い続けてきた畠中実による、貴重なトークセッションが実現しました。NFTアートを可能にする「ブロックチェーン」の識者であるスタートバーン代表の施井泰平氏もゲストに迎え、4作家の活動の変遷や、NFTアートの現在と未来など、本展を総括的に語っていただきます。(10/30更新)

 

登壇者:藤幡正樹、中ザワヒデキ、中村政人
ゲスト:畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] 主任学芸員)、施井泰平(スタートバーン株式会社代表取締役)

*登壇者は都合によりZoomでの参加になる可能性もあります。

開催日:2021年10月31日(日)
時間:13:30-15:00
場所:3331 Gallery (3331 Arts Chiyoda 1F)
参加料:ライブ配信視聴、会場参加ともに500円

会場定員:8名 ※ソーシャルディスタンス確保の為定員を変更いたしました(10/22)/会場ご参加の場合は、別途3331 ART FAIR 2021のチケットが必要です。

申し込みURL:https://bit.ly/3vDO1N0

 

会期:2021年10月29日(金)〜31日(日) *プレビュー:2021年10月28日(木) 15:00-20:00

時間:12:00-20:00(最終日は18:30迄) *全日最終入場は閉場30分前

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