「移ろいゆく時間の経過そのものを絵にすることはできるだろうか」という問いから、不可逆的な皺やひだ、折り目の形状記憶、感光や日焼けによる経年変化といった現象と、スプレーガンによる霧状の絵の具を吹きつける人為的な加筆を介在させた絵画を制作。曖昧でありながら可塑的な時間の存在を作品としている。
Beginning with the question, "Can I produce works that mark the passage of time?" has led Kinoshita to create paintings that combine the irreversible wrinkles, creases, memory of folds, and such phenomena as the natural ageing process of photosensitivity and sun exposure together with the artificial intervention of misting paint using a spray gun. The ambiguous as well as plastic existence of time is made into her works.
木下 令子
Reiko Kinoshita
1982年 熊本生まれ
2009年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了
2021年 「エマージング・アーティスト展」、銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM 、東京
2021年 「Painters + Collection 2021」、なかた美術館 、広島
2021年 「kontor × Reiko Kinoshita installation」、style department、東京
2021年 「Endless.」、TOKYO INTERNATIONAL GALLERY、東京
2020年 「うつすsecond 2. 」、second 2. 、東京
1982 Born in Kumamoto
2009 Graduated from Musashino Art University, MA in Department of painting, painting course.
2021 "Emerging Artist Exhibition", GINZA TSUTAYA BOOKS GINZA ATRIUM, Tokyo
2021 "Painters + Collection 2021", Nakata Museum, Hiroshima
2021 "kontor × Reiko Kinoshita installation", style department, Tokyo
2021 "Endless.", TOKYO INTERNATIONAL GALLERY, Tokyo
2020 "Utsusu", second 2. , Tokyo
推薦者
Selector
キュレーター／プロデューサー
Curator / Producer
[推薦者コメント]
木下令子は、「うつろう時間の経過そのものを絵にすることはできるのだろうか」という問いから、現象と人為のあわいで作品を制作している。素材として用いる印画紙にはスプレーガンによって絵具が吹き付けられるが、そこから先は印画紙の感光や日焼け、皺や折り目など紙の経年変化など、作家自身も制御できない不可逆性を受け入れながら、作品は独自の時間を帯びていく。また作品は、誰かの手に渡った後も、必ずしも目には見えない変化を続けていく。すべてを支配下に置くのでないその創作の姿勢は、人間と非人間との関係性に示唆を与えるとともに、とらえきれない存在や力とともにある生の尊さを改めて感じさせる。