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橘 美貴
高松市美術館 学芸員

Miki Tachibana
Curator, Takamatsu Art Museum

推薦作家

Selected Artists

   

今回、私には中四国地方ゆかりの作家をというリクエストがついていたため、特別なテーマは設けず、今本当に紹介したいゆかりの作家を選出した。そのため、5名の作家は手法も素材もさまざまで、そこに共通点を見出すのは難しい。しかし振り返ると、私は彼らの作品に対して、曖昧な領域という視点から関心を寄せていたことに気づいた。 加藤は動物たちが生きる陰と陽の世界を表現し、カミイケは廃れた風景の中で光る美しさを掬い上げ、土居はかすかな出来事が周囲を変える瞬間を捉え、村上は問いかけるように既成概念を揺さぶり、横山はガラスという物質の強さと繊細さを引き出す。彼らは相対するものの間に身を置き、その曖昧な領域のなかで揺れ動きながら対象を見つめ、表現しているように思う。

1990年神戸市生まれ。2016年より高松市美術館で学芸員として勤務。現代アートのほか、工芸や海外の版画をテーマとした展覧会を担当する。担当した展覧会に「ダリ版画展」(2016)、「京都市美術館所蔵 京の美人画 100年の系譜」(2018)、「音丸耕堂 華麗なる彫漆世界」(2018)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.08 社会を解剖する」(2019)、「飯川雄大|デコレータークラブ―知覚を拒む」(2020)、「大阪市立東洋陶磁美術館所蔵 堀尾幹夫コレクション 濱田庄司展」及び関連展示「中村裕太|丸い柿、干した柿」(2021)等がある。

Born in 1990 in Kobe, Miki Tachibana has served as a curator for the Takamatsu Art Museum since 2016. She curates exhibitions based on themes including contemporary art, craft arts, and overseas printed works. She has led exhibitions including, "Œuvre gravé Salvador Dalí" (2016), "A Century of Kyoto Bijin-ga" (2018), "Kodo Otomaru" (2018), "Takamatsu Contemporary Art Annual vol.08/Dissect the Society." (2019), "Takehiro Iikawa DECORATOR CRAB Intercepting Perception" (2020), "HAMADA SHOJI The Horio Mikio Collection inThe Museum of Oriental Ceramics, Osaka" (2021), and the exhibition related to “Yuta Nakamura: Round Persimmon, Dried Persimmon,'" (2021).