Artists

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武田 雄介

Yusuke Takeda

Selection-GYM(2F 体育館)Selection-GYM(2F Gymnasium)

私はこれまで様々なメディアを使ったインスタレーションを制作してきました。そしてそれは多くの場合、中座されたイメージの断片として再配置されたものです。それらは今日のメディア環境における集中の減退と散漫の増大の結果であり、イメージの残余(幽霊)として宙吊りにされています。自身のインスタレーションはその様な集中/散漫、関心/無関心の力学的効果として考えられます。

I have been creating installations using a wide variety of media. And, they are created often by being rearranged as fragments of suspended images. They are the result of the declining concentration and increasing distraction in today’s media condition, and are suspended like residuals (ghosts) of images. My own installation can be considered as a dynamic effect of such concentration/distraction, interest/indifference.

撮影:奥祐司

武田 雄介

Yusuke Takeda

1985年  広島生まれ
2014年  金沢美術工芸大学大学院博士後期課程修了

2020年  「眺望力Prospects」、山下ビル、名古屋
2019年  「凍りつく窓:生活と芸術」、Cage Gallery、東京
2018年  「Taipei Perception」、Treasure Hill Artist Village、台北(台湾)
2018年  「void」、MORI YU GALLERY、京都
2017年  「アペルト06 武田雄介」、金沢21世紀美術館 長期インスタレーションルーム、石川

1985  Born in Hiroshima
2014  Kanazawa college of art Completed the doctoral program at the Graduate School of Art.

2020  "眺望力Prospects", YAMASHITABLDG, Nagoya
2019  "Frozen window:Life and Art", Cage Gallery, Tokyo
2018  "Taipei Perception", Treasure Hill Artist Village, Taipei(Taiwan)
2018  "void", MORI YU GALLERY, Kyoto
2017  "aperto 06 Yusuke Takeda", 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa, Ishikawa

推薦者

Selector

山本 浩貴

Hiroki Yamamoto

金沢美術工芸大学 講師

Lecturer at Kanazawa College of Art

[推薦者コメント]

 

武田のインスタレーションは、全体像を欠く部分の集積である。それはしばしば作家自身の日常を起点として開始され、差異と反復を繰り返しながら、次第にオブジェクトが増殖していく。その運動がいつ果てるのかは本人にもわからない。むしろそれは完遂されることがほとんどない、挫折を約束された試みである。武田はこの世界で「ノイズ」として後景に退く断片を寄せ集めるが、それらを前景化するわけではない。彼はアンビエントな環境を生成することを通じて、私たちの意識の外側にある事物をありのままに浮かび上がらせる。その作品世界では、部分/全体や前景/後景といった二項対立は消失する。歴史を振り返ると、危機の時代には全体主義が跋扈する。コロナ禍に沈む現在の私たちには、武田の作品を体験することが必要ではないか。それは全体に回収されえない、システムの一部となるのを拒否するものの存在を照らし出すからだ。