Artists

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石田 勝也

Katsuya Ishida

Selection-ROOF TOP(屋上)Selection-ROOFTOP

柚子と柿と木通と鳥人間の植物スタンドYuzu, persimmon, akebi and bird human plant stand

食べた後に残った種を植えた。
植物や食物からの関心からではなく、単純にどのように芽生え成長するのかという興味からだった。私は3年間そうした成長を見ていて、種は植物の最後のかたちではないと思った。野鳥は果実を食べ、その種は消化されずに糞として他の地域に運ばれる。私も植物の恩恵に預かるものとして、種を運びたい。そして、種で終わらせたくない。
この作品は、私が食べた果実の種から育てた植物を運ぶ鳥人間です。ここから鳥人間になる人が増えることを望みます。

I planted a seed left over after eating.
Not because of an interest in plants or food, but simply because I wanted to know how it sprouts and grows. As I watched it grow for 3 years, I had the thought that a seed is not the final shape of a plant.
Wild birds eat fruit, whose undigested seeds become excrement, through which they are carried to other places. I also want to carry seeds as another being that benefits from plants. Moreover, I don’t want them to end up as seeds.
This artwork is the birdman who carries the plant that I grew from a seed of a fruit I ate. Here on, I hope that more people will become birdmen.

石田 勝也

Katsuya Ishida

1979年  神奈川生まれ
2003年  文星芸術大学油絵科 卒業

2022年  「百花」(グループ展) 、旅館落合館、山北町
2014年  「Katsuya Ishida EXHIBITION」(個展)、スドウ美術館、小田原市
2013年  「Exhibition ARIO」(グループ展)、スドウ美術館、小田原市
2012年  「石田勝也展」(個展)、スドウ美術館、小田原市

1979  Born in Kanagawa
2003  Graduated from Bunsei University of Art Oil Painting

2022  "Hyakka" (group show), OCHIAIKAN, Yamakita, Kanagawa
2014  "Katsuya Ishida EXHIBITION" (solo exhibition), Gallery SUDOH, Odawara,Kanagawa
2013  "Exhibition ARIO" (group show), Gallery SUDOH, Odawara,Kanagawa
2012  "Katsuya Ishida EXHIBITION" (solo exhibition), Gallery SUDOH, Odawara,Kanagawa

推薦者

Selector

栗原良彰

Yoshiaki Kuribara

アーティスト

Artist

[推薦者コメント]

 

『柚子と柿と木通と鳥人間の植物スタンド』
石田勝也
これまでにも植物を直接扱った美術作品は多くあった。この作品もそのひとつだが、石田と植物の関係が興味深い。それは、果実の状態から関わり育てた植物を愛でることではなく、そんな植物を運ぶ行為を石田は作品と位置付けていることだ。長い年月をかけて育てた植物は自身の元から離れていくことを前提としているのだ。また、造形的な植物スタンドは、感情や思いの単純な表現物ではなく作品のための道具としている。タイトルにも使われている「鳥人間」というのは、そうした思いを象徴する言葉なのだ。飛翔することや自由の象徴として鳥類に憧れるのではなく、この作品では、「植物(種)を運ぶもの」として鳥に注目している。その目的から自身が鳥人間になり、自然と人間の営みをシンクロさせその循環に意識的に働きかける試みである。私は、この作品に人間がいる自然という秩序を取り戻そうという思いを感じる。