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藤 浩志 / Hiroshi Fuji

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鴨川泳ぐこいのぼり

©Hiroshi Fuji

鹿児島県出身の藤は京都市立芸術大学在学中に友人たちと企画した「アートネットワーク’83 」で三条鴨川に染織作品を無断で設置し事件となります。フジヤマゲイシャ、第一回牛窓国際芸術祭などを経て若手作家のネットワークを築くなか、「ゴジラとハニワの結婚離婚問題」という大学院の修了作品が美術雑誌で紹介され次世代の作家として注目されます。当時現代美術作家の登竜門とされていた横浜での今日の作家展、原美術館でのハラアニュアルなどで、空間へ出来事を仕掛ける活動を展開しますが、当時の美術状況に違和感を持ち86年から2年間、青年海外協力隊員としてパプアニューギニア国立芸術学校に勤務し、美術を指導しました。この時の体験は後の芸術活動に影響を与え、社会・地域・日常を見つめ、「循環社会への転換」「地域社会の変革」といったテーマに取り組むようになります。パプアニューギニアの村で見かけた、やせ細りながらもエネルギッシュな犬「ヤセ犬」をモチーフとした彫刻作品や、自宅に眠っている不要なおもちゃを持ち寄り交換する「かえっこ」といったプロジェクトで知られており、バングラデッシュ・ビエンナーレ(2006)、サイトサンタフェ・ビエンナーレ(2008)、瀬戸内国際芸術祭(2010)など、国内外の芸術祭やアートプロジェクトにも多数出品しています。

作家情報

藤 浩志

藤 浩志

1960年鹿児島生まれ。奄美大島出身の両親の影響で大島紬周辺で遊ぶ。京都市立芸術大学在学中演劇に没頭した後、地域をフィールドとした表現を模索。同大学院修了後パプアニューギニア国立芸術学校に勤務し原初的表現と文化人類学に出会う。バブル崩壊期の再開発業者・都市計画事務所勤務を経て土地と都市を学ぶ。「地域資源・適性技術・協力関係」を活用した美術表現を志向し、全国各地でプロジェクトを試みる。取り壊された家の柱素材の「101匹のヤセ犬の散歩」。一ヶ月分の給料からの「お米のカエル物語」。家庭廃材を利用した「Vinyl Plastics Connection」「Kaekko」「Polyplanet Company」「Jurassic Plastic」。架空のキーパーソンをつくる「藤島八十郎」等。NPO法人プラスアーツ副理事長。十和田市現代美術館館長を経て秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科・アーツ&ルーツ専攻教授・副学長、NPO法人アーツセンターあきた理事長。