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Patrick Cruz / Patrick Cruz

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作家情報

Patrick Cruz

Patrick Cruz

1987年 マニラ生まれ
2016年 ゲルフ大学美術学部卒業
2018年「Surrender to Mastery」、Regart、ケベック(カナダ)
2018年「labas vs loob (inside vs outside)」、Mono8 Gallery、マニラ(フィリピン)
2018年「By What Signs Will I Come To Understand」、Franz Kaka、トロント(カナダ)
2019年「people without property」、Mo_space、マニラ(フィリピン)
2019年「Words Bounce」、Nanaimo Art Gallery、ブリティッシュコロンビア(カナダ)

民族離散の観念や強制退去、そして新たな文化的アイデンティティを受容して生きて行くことに対する疑問--- 移民としてフィリピンからカナダへ移り住んだ経験は、私の表現活動に大きな影響を与えている。ますますグローバル化する現代の社会が示唆するのは、「均一化」という意味とほぼ等しい状態の文化の交配ではないだろうか。こうした「挑発的」ともいえる現状に対して、そして、覇権主義的なイデオロギーから脱却するための問いとして、装飾や呪術思考といった民族的で植民地時代以前の感覚を取り入れた作品を制作している。

推薦者

原 万希子

インディペンデント・キュレーター

[推薦者コメント]

2015年にカナダの若手ペインターにとって最も栄誉あるRBCペインティング アワード大賞を受賞したパトリック・クルーズは今カナダで最も注目されるアーティストの一人だ。クルーズは洞窟画や錬金術、象形文字や、出身地マニラの雑踏やカオスから着想を得て、カラフルでスピード感溢れるペインティングや彫刻を大量に制作し、壁から床、天井まで覆い尽くすような過激なインスタレーションを制作する。18歳でマニラからカナダに移住した移民体験を元に、二つの文化を移動し続けるディアスポラな身体と時間、グローバリゼーションと文化の混合など、二つの文化の間を揺れ動く自身のアイデンティティーを、過剰に集積するペインティングのコラージュで表現する彼の独特なスタイルは、ペインティングの概念を覆すエネルギーに溢れている。