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金 サジ / Sajik Kim

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女(母)

双子

作家情報

金 サジ

金 サジ

1981年 京都生まれ
2005年 成安造形大学写真クラス卒業
2014年「釜山ビエンナーレ 特別展示アジアンキュレイトリアル展」、釜山(韓国)
2016年「Art Court Frontier 2016 #14」、アートコートギャラリー、大阪
2017年「満月の夜、男は墓を建て、女はぼっくりを食べる」、東京都写真美術館、東京
2017年 showcase#6 “引用の物語 Storytelling” curated by minoru shimizu、eN arts
2017年 Ascending Art Annual Vol.1「すがたかたち」、スパイラル、東京/ワコールスタディーホール京都、京都 ※2箇所巡回

私の身体に先祖の体験してきた記憶が残っているのではないかと感じることがあります。様々な民族の伝承(「祭」「食」「衣服」「音」「色」「文様」「語り」など)を体験したときに、デジャヴュのような感覚を覚えることが多いためです。そういった記憶とも思える不思議な感覚と、今まで生きてきた私の確かと思える記憶が重なった時に、 ひとつの物語が現れてきます。私はこの物語に向き合う事で、自分にとっての「故郷」とは何なのかを考え続けています。

推薦者

遠藤 水城

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)代表/ヴィンコム現代美術センター芸 術監督

[推薦者コメント]

金サジ(1981年生まれ、京都在住)は、主に写真作品で知られている。2016年度「キャノン写真新世紀」にてグランプリを獲得した《物語》という写真群は、在日韓国人という彼女のアイデンティティの「揺らぎ」を出発点としながら、その揺らぎをさらに振動させることで、逆説的に、その底に沈殿していた禁忌を解放し、汚辱と聖性が、固着的なもの、固有の物語として可視化されてしまった、といった様相を呈している。ルーツ探しでも、アイデンティティ・ポリティクスをめぐる差異化の力学でもない、別の経路。自分の物語を語ろうとするのではなく、彼女はただ、物語を媒介する暫定的な方法としての写真を、強く信頼している。