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山本 聖子 / Seiko Yamamoto

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幾何学の倍音-反対側

Photo by Seiko Yamamoto

幾何学の倍音- nocturnal

Photo by Seiko Yamamoto

幾何学の倍音- 地響き

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幾何学の表皮-無音 #1

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作家情報

山本 聖子

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山本 聖子

1981年 京都生まれ
2006年 京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術表現専攻修了
2015年「白い暴力」1M1A, galeria DEAR、メキシコシティ(メキシコ)
2016年「色を漕ぐ-Swimming in Colors-」ギャラリーPARC 、京都
2016年「Assembridge NAGOYA現代美術展『パノラマ庭園-動的生態系にしるす-』」、MAT-nagoya、愛知
2017年「Iron as a phantom/鉄の幽体性」POLA THE BEAUTY GINZA、東京
2019年「麻豆糖業芸術祭」、 総爺芸文中心、台南(台湾)

私が育ったのは1970年の大阪万博に前後して開発されたニュータウンだ。それは当時の未来の象徴であっただろうし、現在も必要なものは全て完備された、何不自由ない街である。しかし私はこの街の様相に違和感がある。人々は与えられた場所で同じように生活し、それぞれの個性や、生きる上で必ず起こる雑味のようなものは極端に隠され、目の前の風景はどこを取っても均質化しているのである。私は再度、この幾何学的な街に倍音を呼び起こしたい。人間は本来もっと、複雑で混沌としたエネルギーをもった存在なのではないだろうか。

推薦者

福住 廉

美術評論家

[推薦者コメント]

山本聖子の作品を読み解く鍵は「次元変換」です。間取り図はもともと三次元の空間を二次元の平面に置き換えたものですが、山本はその骨組みだけを切り出して立体状に組み上げます。つまり、三次元から二次元、そして再び三次元へ、山本は作品の中で次元を変換しているのです。ただし、その作品は、素材としては平面でありながら形態としては立体的でもあり、だからといって完全な立体作品というわけでもない、奇妙な物体です。いや、それが周囲の壁や床に複雑な影を落としていることを考えれば、「物体」というより「幻影」というべきなのかもしれません。間取り図に投影される私たちの欲望を宙ぶらりんにしてしまうところが、山本の作品の醍醐味です。