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米倉 大五郎 / Daigoro Yonekura

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A piece of waterfall 12

A piece of waterfall 12 (detail)

A piece of waterfall 13

A piece of waterfall 13 (detail)

作家情報

米倉 大五郎

米倉 大五郎

1975年 広島生まれ
2006年 広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程総合造形芸術専攻修了(芸術学博士号取得)
2010年「This is red」、CAP Cologne、ケルン(ドイツ)
2014年「ポーラミュージアム アネックス展 2014 -光輝と陰影-」、ポーラミュージアム アネックス、東京
2015年「NEW CITY ART FAIR New York 2015」、hpgrp GALLERY、ニューヨーク(アメリカ)
2016年「フェノメノン」、アートギャラリー ミヤウチ、広島
2017年「Folds of Paint -色水の折り目-」、mm project ギャラリー、広島

無色透明な箱の蓋を開ける。その箱の中は透明な暗闇の広がりになっている。黒色の広がりは、手さぐりすればまとわりつき攪拌させることができる。ゆらぐ黒色の隙間には、それを埋める白色が表れ明暗となって形象を生み出す。その所作と次第によっては、あらゆるものを生み出せる。だから、たとえ姿形がわからないものでも追い求めることができる。そこには全てがつまっているが、その箱から出ることはできない。

推薦者

出原 均

兵庫県立美術館学芸員

[推薦者コメント]

米倉はつねに強い喚起力のあるイメージを作り出してきた。彼は、研磨したパネルの上に、アクリル絵具を置き、それをシリコン製のシートを用いて走らせ、短時間でイメージを作り上げる。物質からイメージが生まれる、その始原にこだわる画家といえばよいだろうか。動作には偶然や無意識の働きもあるので、彼をシュルリアリストの後裔と見なすこともできるかもしれない。しかし、イメージの始原への彼の強い関心は、作品に強度とともに明快さも与える。イメージとなった絵具の痕跡を辿れば、その過程が確認できる明快さがあるのだ。それも魅力だと思う。