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森 栄喜 / Eiki Mori

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Family Regained

Eiki Mori, Courtesy of KEN NAKAHASHI

作家情報

森 栄喜

Photo by Shun Wakui

森 栄喜

1976年 石川県生まれ
2001年 パーソンズ美術大学写真学科卒業
2017年「Family Regained: The Splash ―We brush our teeth, take a shower, put on pajamas and go out into the street」、NADiff Gallery、東京
2017年「Family Regained: The Picnic」、フェスティバル/トーキョー、東京
2018年「Letter to My Son」、KEN NAKAHASHI、東京
2018年「小さいながらもたしかなこと日本の新進作家vol.15」、東京都写真美術館、東京

対象である家族を観察し、社会学的領域でのパフォーマンスを写真に昇華することで、可視/認知化されたビジュアルを広めていこうとする作品。友人とその家族、または二人の男性、一人たたずむ男の子、彼らの住まいや庭などで、約3年間をかけて撮影した写真シリーズ。また、現代の家族についての問いを投げかける二つのパフォーマンス作品として、一人の男性、男の子、そして森自身が想像上の家族として東京の街へ飛び出していくという記憶を映像作品にしたもので構成されている。

推薦者

笠原 美智子

石橋財団ブリヂストン美術館副館長

[推薦者コメント]

森栄喜の『Family Regained』は拡大家族を表している。血縁だけがもはや家族の形ではなく、ひとりであることも含めて、様々に多様化する現代家族のあり様を、ゲイとしての自分のセクシュアリティを正面から扱って、森栄喜の独特の繊細で軽やかな描写で写し出している。そこに表現されるのは「承認」である。自分が自分のままで生きていくことへの「承認」。家族からの「承認」。家族としての「承認」。先達たちの多くが焦がれても得ることのできなかったもの。彼はエイズによって失われてしまったアーティストたちを引き継ぐ者として、彼らが表現することのできなかった未来の一端を、自分の内に引き受けている。それはとても尊いことだと思う。