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鈴木 のぞみ / Nozomi Suzuki

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光を束ねる:砂糖入れ

Photo by Shinya Kigure, ©Nozomi Suzuki

光を束ねる:小箪笥

Photo by Shinya Kigure, ©Nozomi Suzuki

Mirrors:鈴木邸卓上の丸鏡

Photo by Shinya Kigure, ©Nozomi Suzuki

Other Days, Other Eyes:関井邸2階東の小窓

Photo by Shinya Kigure, ©Nozomi Suzuki

作家情報

鈴木 のぞみ

鈴木 のぞみ

1983年 埼玉生まれ
2015年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期過程入学 在学中
2016年「Monologue of the Light」、rin art association、群馬
2016年「現代美術の展望 VOCA 展 2016」上野の森美術館、東京
2016年「NEW VISION SAITAMA 5 - 迫り出す身体」、埼玉県立近代美術館、埼玉
2017年「無垢と経験の写真 日本の新進作家vol.14」、東京都写真美術館、東京
2018年「MOTサテライト2018秋 うごきだす物語」、白河二丁目会会館、大島倉庫、東京

写真の原理を通して、日常の事物に潜む潜像のような記憶を可視化したいと考えています。私たちの周りには、光が独り言を囁くように潜像で満ち溢れています。事物に定着された光景は、それがかつて在った場所で人知れず形成されていたイメージであり、撮影者の意志を超えた事物のまなざしです。写真が直接定着された事物は、それ自体が触覚的な身体のようなものを付与されます。写真とは、それを通していまここにはない指示対象を見るものですが、写真それ自体が物理的な事物として存在することで過ぎ去りゆく時を宙づりにする試みです。

推薦者

笠原 美智子

石橋財団ブリヂストン美術館副館長

[推薦者コメント]

鈴木のぞみの作品を見て、即座に「写真」と認識する人は少ないかもしれない。朽ちた枠が誂えられた窓ガラスに何かが写っている。風景なのだけれども茫漠としている。窓枠が古いこともあって、それは現在の風景と言うよりも、過去の風景に見える。鈴木のぞみは解体される民家の窓や、古い鏡をキャンバスに見立てて、ガラスを感光して加工し、その窓や鏡がかつて見ていた風景をそこに再現させる。それはその窓を、その鏡を使っていた人の固有の風景なのだが、なぜか見る人はそれぞれの記憶に在る光景に変換する。「現実」を切り取る写真が、時を堆積させるような効果を生んでいる。